7月6日~10日に採卵した沖縄産ヤゴは順調に脱皮を繰り返しています。
アオビタイトンボ、アカナガイトトンボ、オオハラビロトンボ、ヒメハネビロトンボ、ベッコウチョウトンボは既に終齢。
リュウキュウカトリヤンマは亜終齢。
ウミアカトンボとオオキイロトンボは、おそらくF-2(終齢から2つ手前)まで進んでいます。
沖縄で採集したトンボ卵が、次々に孵化しています。
まず、7月 15日にヒメハネビロトンボ。産卵後7日で孵化。
他のトンボ科と比べて頭部が5角形ベース状で特徴があり、サイズも今回の他のトンボ1齢と比べて大きめです(以下画像の縮尺は同じにしてあります)。
7月19日には早くも2齢に脱皮。
次にオオハラビロトンボで7月17日孵化で産卵後9日。
7月18日には、オオキイロトンボ(産卵後9日)、ベッコウチョウトンボ(産卵後9日)。
オオキイロトンボヤゴは、終齢になるとハネビロトンボヤゴに似てますし、成虫もハデな色彩で似かよってますが、1齢の時点ではトンボ科ヤゴとしてありがちな割と平凡なヤゴでした。
カラスヤンマも7月18日に孵化し採卵後12日ですが、砂礫から採卵した時にすでに卵が褐色で先行産卵されてたと思われる分が混ざっていたので、そっちが先に孵化したと思われます。カラスヤンマは成虫になると大型のトンボになりますが、1齢の時点では今回のヤゴの中で最も小型な方でした。
さらに、7月19日にはウミアカトンボ(産卵後9日)、アカナガイトトンボ(産卵後13日)も孵化しました。
YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑に、
カラスヤンマ♂のパトロール飛翔と♀の産卵動画を追加しました。
沖縄も遂に梅雨が開けただろう(沖縄は今年、記録的に早く梅雨明け宣言がありましたが外れたみたいです・・・)ということで、今日から家族を残し単独で沖縄入り。
ところが、地元福岡は記録的豪雨になってしまいました。幸い我が家には問題ないみたいですが、最近の梅雨にはシトシト降る季節という印象は全くなくなってしまいました。
さて、時間的余裕はたいしてないので南にも北にも移動しやすい中央部の名護市に宿泊し、知ってるところを回り出来れば採卵もしようという日程です。
朝1番はダム湖の直下でこんな所。
ベニトンボがうじゃうじゃいます。朝8:00頃に着きましたが、その後交尾・産卵も頻繁にあります。ベニトンボは温暖化に伴い北上中のトンボですが、繁殖力が強いみたいで九州北部でもいる場所では多産してます。
あとはアカナガイトトンボ。こちらは目についた範囲で♂が10頭程度、♀が数頭。こちらは採卵もしました。
オオキイロオンボの交尾態も何度か横切り、1回は産卵もしたのですが警戒心が強く近寄らせてくれませんでした。
2番目の場所は山の頂上付近の渓流。
カラスヤンマ♂のパトロール飛翔がすぐに見つかりました。オニヤンマとは異なり2~3mの狭い範囲を行ったり来たりせわしなくパトロールしています。動画にしてHPにアップロードしました。
14:00頃になり♀の産卵が現れこちらも動画に。産卵は流れのほとんどない湿った砂礫上に尾端を垂直に打ち付ける方法で行ってました(HP動画の最後の方にその様子が映ってます)。
尾端を打ち付けたあたりの砂礫を採集し卵もゲット。大型のトンボですが卵はあまり大きくありませんでした。なお卵は全て4.5倍で撮影してますので、他の卵と大きさを比較できます。
他には、チビサナエが♂3♀1いて1回は交尾もありましたが産卵は見られませんでした。
3番目の場所は公園内の小さな池。
目につくのはオオハラビロトンボで♂5頭がバトルしながら縄張ってます。
16:00頃に♀が1回産卵に来て、迫り来る♂たちをかわしながら何回か打水産卵して去っていきました。
あと、この池はリュウキュウギンヤンマの産卵場所でもあるようで、♂が近くを頻繁に横切ります。飛翔写真を撮る時間的余裕はないので、捕まえてモデルになってもらいました。沖縄滞在中のトンボ写真はキャッチ写真が増えると思います。
通常のギンヤンマよりかなり大きめのヤンマです。♂で全長83~99mm(日本のトンボより引用)。
17:00頃になり大型の黒い影が池面を横切りました。2018年にこの池でオオメトンボのヤゴを採集してたのですが、オオメトンボにしては大きすぎる気がします。まもなく、正体が分かりました。
池の奥の部分は水がほとんどなく湿った地面になっており、その部分でリュウキュウカトリヤンマ♀3頭が産卵を始めました。
通常のカトリヤンマに比べかなり褐色味が強く、暗い場所でみると黒っぽいトンボに見えます。
産卵を動画にしてみました。
産卵用の容器を持ち合わせていなかったので、1頭はキャッチして持ち帰ったところ、翌日キッチンペーパーに産卵してくれました。
1日を目一杯使って沖縄のフィールドを駆け巡り、これでようやく初日終了です。
YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑に、
アカナガイトトンボを追加しました。
5月3日のヒメトンボとアカナガイトトンボが終齢になりました。
ヒメトンボ。何かのアカネのヤゴにそっくりですが、サイズはかなり小さいです。
上がハネビロトンボで、左はハッチョウトンボです。やはりハッチョウトンボの小ささが群を抜いています。
アカナガイトトンボ。尾鰓が特徴的です。
5月3日の沖縄産アカナガイトトンボとヒメトンボのヤゴが順調に成長しています。
ヒメトンボは8齢になっています。
体長は6mm程度ですが、小型のトンボですので翅芽の発育状態を見るとこのサイズでもF-2(あと2回脱皮して終齢)だと思います。
アカナガイトトンボは7齢になっています。
尾鰓中央部の明瞭な分節が特徴のヤゴですが、分節がだいぶはっきりしてきました。
4月29日、30日と沖縄旅行に行ってきました。30日は美ら海水族館観光なので、トンボ&ヤゴを探索出来るのは29日の1日のみです。
ということで事前に、google検索、google earth、google streetをフル活用して良さそうな場所を調査です。いくつかの情報を得られましたが、特にあるポイントでは沖縄の山中をgoogle streetで歩き回ってピンポイントで特定出来ました。ちょっと感激です。結局、5カ所に絞ってみましたが1日で回るのは無理かもしれません。
まず朝早くに最初のポイントの湿地です。その前にポイント近くの小規模な滝に寄り道。
沖縄にはヤマイトトンボ科でオキナワトゲオトンボとヤンバルトゲオトンボが分布しており、このあたりはヤンバルトゲオトンボの分布域なのでいないか探索です。朝早く天気が悪いこともありトンボの影は全くありませんでした。川岸の砂をすくってみるとオキナワサナエ(アマミサナエの亜種、沖縄個体群)の亜終齢ヤゴがいました。ヤマサナエ同様岸すぐ近くの砂に潜んでいました。
湿地の方に移動しますが、その頃から少しずつ晴れてきました。こういう感じの場所でgoogle earthで見た時には、湿地???という感じでしたが確かに休耕田に水がたまっていい感じの湿地になっています。
まず足元にはコフキヒメイトトンボがちらほらと見られます。ヒメイトトンボもいるかもしれませんが、粉を吹いてない♂の交尾態があればヒメイトトンボでしょ!?くらいの認識しかないので鑑別断念。
あと目立つのはショウジョウトンボの原名亜種タイリクショウジョウトンボ。未熟な個体ですが腹部の背面黒条が目立ちます。
福岡の近辺では、別府近辺にしかいないハラボソトンボもいくらでもいます。
歩き回っているうちにヒメトンボを見つけました。ヒメサナエよりも小さく、ハッチョウトンボよりは大き目くらいの超小型トンボです。交尾態もいて♀をゲットし腹端を水につけてみますが産卵してくれません。トンボ科は普通簡単にこの方法で産卵してくれますがうまくいきません。コフキトンボみたいに卵を浮遊物に貼り付ける習性がある種は簡単には産卵しませんが、ヒメトンボは打水産卵する種なのでちょっと意外でした。♀を1頭家に持ち帰りし、産卵習性に近い環境で再トライしてみたら何とか産卵してくれました。
2カ所目のダムの下流の川に移動。
狙い通りアカナガイトトンボがいて産卵植物を採集。他はベニトンボがたくさんと、オオシオカラトンボが少しいました。
3カ所目の山の中の渓流。
ここではリュウキュウルリモントンボ狙いでしたがいませんでした。
カラスヤンマはいかにもいそうなので砂をすくってみました。成書に岩の下に潜むという記述もあったので見つけるのは結構難しいかと思いましたが、普通にオニヤンマがいそうな岸辺の砂の中で見つかりました。
他にいたのは、オキナワオジロサナエ(チビサナエの亜種、沖縄個体群)。
山の下りの沢にはオキナワトゲオトンボもいました。ヤゴも探してみましたがこちらは見つかりませんでした。一応ハブにも気をつけながらなので、あまり大胆には探せません。福岡ではよくマムシを見かけますが、基本的にマムシは臆病でむこうからすぐに退散してくれるので気にしないのですが、ハブの習性はどうなんでしょうか?
4カ所目の池に移動しましたが、ここでトラブル発生。レンタカーの前輪を駐車場の縁石に乗り上げてしまい見事にパンク。すぐにJAFを呼んでスペアタイヤと交換し、運転上の支障はないのですが、レンタカー会社の規定で2万円のエキストラの出費です。痛いっ!。でも、JAFのおじさんが沖縄なまりののんびり屋さんで、和んでしまってちょっとした救いでした。
この池では期待した種はいず、ハネビロトンボ、ベニトンボ、タイリクショウジョウトンボくらいでした。
5カ所目も予定していたのですが、パンクのトラブルで時間がなくなってしまい断念。季節的に少し早い事もあり期待どおりにはいきませんでしたが、とりあえずヤゴ3種類、卵2種類をゲットしました。
まあ、急に増えると飼育と写真撮影が大変すぎるのでちょうどいい感じです。データ処理が終わったら、ホームページにもヤゴをアップしていきます。
最後に美ら海水族館の定番、ジンベイザメ。