近場の池と渓流に出かけてきました。
つい先日まで猛暑日で苦しんでいたのに、トンボ界は秋になってました。
池では、マユタテアカネが3組、リスアカネが3組産卵してました。いずれも福岡では最も普通に見られる種です。リスアカネの尾端のかなり前方にある白点は、打空産卵で前方に放り出された卵です。
渓流にはミルンヤンマ♂2,♀3がいて、滞在時間内に産卵も6回見られました。
福岡は、突然秋に突入してしまいました。
11月3日~4日はタイリクアキアカネを探しに、定着しているらしい対馬に出かけてきました。対馬は2015年10月12日と2017年10月8日に続いて3回目となります。
時間を有効に使うため、前日の11月2日の夜にバイクに乗ってフェリーで渡ることにしました。今回は、今までと違って北対馬を探索します。
11月3日の9:00頃に狙ったポイントに到着。こういう感じの湿地っぽい場所が広がっています。
水が少したまっているポイントもありますが、ほとんどの場所の地面は乾いていました。
まず最初に目に入ったのはマユタテアカネ♂。九州北部では今の時期は、最も普通にいるアカネです。
小型で胸部の斑紋が目立たず、タイリクアキアカネ♀かっ?とはっとさせられるマユタテアカネ♀(サイズがかなり違うので、今回の探索でようやく惑わされないようになりました)。
オアナガアカネも定着しているようですが、顔が白いアカネがいて期待したもののマイコアカネ♂。
さて、タイリクアキアカネですが最初に怪しかったのはこの♀。
フィールドガイド「日本のトンボ」から引用した図ですが、下記が両者の鑑別点になります。タイリクアキアカネの方が、(1)顔面の黒い斑文の凹凸が目立つ、(2)翅胸第1側縫線に沿う黒条が小さい、(3)腹面腹端の形態の違い。
この個体は、(2)はクリアーしていますが、(1)は満たさず。
また、(3)も満たさずで却下。
11:00頃になり、アキアカネが産卵に集まっている水たまりを見つけました。
以後は交尾ペアの捕獲作戦。6-7ペアの産卵♂♀を捕まえて調べましたが、一番怪しかったのがこれ。
(2)はクリアーしていますが、(1)を満たさなかったのでリリース。
(3)に関してはタイリクアキアカネっぽいですが、正面から撮れてない事を補正すると、やっぱりアキアカネ?
(11月6日追記:尾端部写真を再検討してみましたが、前述の個体の尾端部とは明らかに異なりますし、産卵弁も小さめですし、タイリクアキアカネの可能性の方が高いでしょうか?リリースしてしまったことが悔やまれます。)
13:30くらいになると、産卵はほぼ終了。その後は、他に良さそうな湿地部がないかウロウロと探索。
14:30頃になると、もうお休み体勢になった個体が柵の棒の上で多く見られるようになってきました。
撮影しても逆光になって鑑別出来ない事が多いので、捕まえられるのは捕まえて調べてみました。全て典型的なアキアカネでした。私以外にも、柵の先端にはハンターが待ち構えていました。
11月3日はこれで終わり。ちなみに下は典型的なアキアカネの翅胸です。
こちらは、翅胸第1側縫線に沿う黒条が小さめの個体。
明日も同じ場所で産卵ペア捕獲作戦決行予定です。
お知らせ:YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑に、
ノシメトンボ、ナツアカネ、 マユタテアカネのトンボ画像を追加ました。
リスアカネの♀単独打空産卵動画も追加しました。
秋のアカネのトンボ画像を増やそうということで、昨年10月25日と同じ島に出かけてきました。フェリーで20分ほどかかるのですが、短い船旅はなかなか気持ちよく、また、周りのほとんどを占める釣り客達たちの”釣るぞ釣るぞー”という熱気が伝わってきて、こっちまでウキウキしてきてグッドです。
あわよくば、昨年と同じオナガアカネや他の飛来種も期待してたのですがこちらは何も見つかりませんでした。
一番多かったのは、福岡市近郊と同じでマユタテアカネ。福岡市近郊と同じで、♀は翅端が褐色になるノシメ型が基本です。
あと多かったのは、ノシメトンボ。こちらは福岡市近郊では今やなかなか見つかりません。
リスアカネの♀が田んぼの上で単独打空産卵をしていたので動画をホームページにアップしました。見にくいですが、尾端から落下する卵が動画でも確認することができます。
こちらも福岡市近郊ではなかなか見られないナツアカネ。そこそこの数がいました。
他には、ネキトンボ、タイリクアカネ、シオカラトンボがいましたが数は多くありませんでした。カトリヤンマが飛ぶのも何回か見かけました。
珍しい種はいなかったものの、福岡市近郊より自然度はかなり高いです。
YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑に、
ダビドサナエと、
ネキトンボ
を追加しました。
さて、このブログを訪れるような人であれば、タイトルを見てピーンと感じるものがあるのではないかと思います。その通りです。飛来種の採卵が目的です。
スナアカネについては、2013年、2014年と福岡にも多数飛来して産卵活動も見られたので、採卵することが出来ました。ホームページにもすでにアップしてあります。
問題は、タイリクアキアカネとオナガアカネの2種です。
毎年少しは福岡にも飛来するのですが、採卵となると極めて困難です。
ということで、この2種が定着している可能性がある対馬に出かける事にしました。といっても壱岐対馬は初めての訪問ですし、見られる可能性が高いエリア情報もなく、無理矢理家族旅行を企画してそのついでといった形です。
まず、10月10日は壱岐に一泊し、この旅館で海の幸を堪能します。
10月11日は単身で対馬に渡ります。ジェットフォイルの時間まで暇があるので、午前中壱岐にも何かいないか探してみました。こういう場所です。
トンボは極めて少なく、どこにでも飛んでるウスバキトンボが10頭程度、マユタテアカネ数頭、ナツアカネ♂1頭のみでした。
対馬には午後1時頃着きましたが、探索出来るのは実質3時間強くらいのものでしょう。広い対馬の遠方まで出かける時間はないので、google earthであらかじめあたりをつけておきました。港から30分以内くらいで行けそうなダムと、その下流域にある田んぼ or 畑です。こういう場所。
特に、ギクッとさせられるような紛らわしいトンボはいませんでした。
いたのは、おなじみ多数のウスバキトンボと、マユタテアカネ♂♀各10頭程度、ボロボロになったシオカラトンボ♀1、典型的なアキアカネ♀1のみでした。
下は、最初♂かと思ったけれども何か変なので捕まえてみたマユタテアカネ♀。かなり赤化した♂型♀でした。
ほとんど成果がなく、来年再トライとなりました。
ところで、壱岐対馬でも幅をきかしているのはやはりマユタテアカネのようです。あと、福岡では翅の先端に褐色部があるノシメ型♀が多いのですが、今回見た♀は全て透明翅型でした。
今日も地道にホームページ用の産卵ビデオ撮影です。
9月23日と同じ池です。
アカネの中で一番ブイブイいわせている感のあるマユタテアカネの産卵。
9月23日と同じく、リスアカネの打空産卵ですが、日がうまく当たり冒頭のあたりで落下する卵が写っています。