アオビタイトンボの観察と、ハネビロトンボの採卵も出来ないかと福岡市近郊の池に来ました。
アオビタイトンボがいる池
アオビタイトンボは♂は10頭近くいて、この池にはすでに定着していると思います。午後の暑い時間帯なので、暑さを避けるためみんなオベリスク姿勢をしています。
アオビタイトンボ♂
ハネビロトンボは飛来種ですが、7-8年前は福岡周辺ではごく普通に見られて、越冬ヤゴも確認出来、もう定着したかのようでしたが、その後ほとんど見なくなってしまいました。しかし、ここ2ー3年また見る機会が少し増えてきた印象です。この池では昨年1回だけ産卵を見たので、少し期待したのですが1頭もいませんでした。
アオビタイトンボの♀はいませんが、きっと木陰の枝先に止まっているだろうと探してみたら、やはりいました。
アオビタイトンボ♀
あとは、チョウトンボが全盛期で多数いて産卵も頻繁に見られました。ただでさえ熱を吸収しそうな真っ黒なトンボなのに、猛暑の中一番活動性が高いです。他には、キイトトンボ、ベニイトトンボ多数、ショウジョウトンボ、ネキトンボ中等数、ギンヤンマ、ホソミオツネントンボ数頭といったところでした。暑すぎてチョウトンボ以外はあまり活動していないので、次はもう少し夕方近くに来る事にしましょう。午前中に来るのがベストなのですが、ここは施設内の池で土日は入れないのです。
次にむかったのは、新たなネアカヨシヤンマの産地探しです。7月25日の場所にはもういなさそうなので、6月20日のアオヤンマの池に行ってみました。この池は市街地にあるのですが、回りが木々に囲まれて外から完全にブロックされています。一部湿地状になった部分はサラサランマが飛び、そのあたりにネアカヨシヤンマがいそうな怪しそうなスポットがあります。池に入るとすぐにヤンマが地面近くから枝に飛び上がりました。体型はネアカヨシヤンマと明らかに違っていますが、どうもアレッぽいです。撮影してみると、初めて見るマルタンヤンマの♂でした。♀の産卵はこの池でよく見ていましたが、ようやく♂にも出会えました。ブルーの綺麗な複眼を持つトンボで、トンボ愛好家たちのNo1ターゲットです。蚊の猛攻撃をうけながら、写真を撮りまくりました。
マルタンヤンマ♂
ネアカヨシヤンマは残念ながらいませんでしたが、怪しすぎるのでもう1回くらい来てみよう。池の他の部分も見ていると、ここにもアオビタイトンボの♀がいました。福岡県で私の見た範囲で4カ所目です。もう福岡県にもかなり拡散している感じです。
アオビタイトンボ♀
次は、前回うまくいかなかった、オナガサナエの採卵です。遅めの6時半くらいに川に行ってみました。前回よりかなり増えていて、目に入る範囲内だけで10頭以上の♂が縄張りしており、すでに活発に追っかけあいをしています。シルエットを見る限り、ミヤマサナエ♂はいなさそうです。これだけ♂が多いと、♂より先に産卵♀を見つけるのはほぼ不可能か?
オナガサナエ♂
しかし、意外な事に7時10分くらいになり、♂にも気づかれずに岸のすぐ近くで♀が悠々と産卵を始めました。6月14日のキイロサナエでもそうでしたが、♂は高速に入ってくる♀は敏感に反応してキャッチしますが、ホバリングしながらゆっくり移動する産卵♀にはどうも鈍感な感じがします。とにかく♂に気付かれる前にということで、あせりながら♀を捕獲します。
この♀もカップの水に腹端をつけるだけでは産卵してくれませんでした。オナガサナエの採卵は簡単だと思っていましたが、どうもそうではないようです。その後もう少し粘ってみましたが、産卵4-5回、交尾態を4回見たあたりで結構暗くなってきたので、川を離れることにしました。採卵のため♀2も持ち帰ります。今回はうまくいくといいのですが。