沖縄で4月30日にヒメイトトンボとコフキヒメイトトンボの交尾・産卵は見られなかったのですが、持ち帰った♀が産卵してくれました。
普通イトトンボは、湿らしたキッチンペーパーを敷いた百均の小容器に入れておくだけで簡単に産卵してくれます。
しかし、モートンイトトンボや本種などの超小型種は失敗することが多く、擬似的な産卵環境を作りました。
ヒメイトトンボ産卵容器
玉ジャリと水を入れた小容器に、植物に見立てたキッチンペーパーの棒を立てています。芯には加工しやすいアルミ製の1mm程度の針金が入っています。
植物を植えてもいいのですが、卵を撮影するケースでは植物から卵の分離は至難の業なのです。
これをさらに百均の容器に格納して、内壁にも一部少し湿らせたキッチンペーパーをくっつけて出来上がり。約15分の作業行程です。
内壁と疑似植物キッチンペーパーの両者に産卵してくれました。
コフキヒメイトトンボ卵
ヒメイトトンボ卵
コフキヒメイトトンボの方が3-4日産卵後日がたっています。
ちなみに撮影セットは下のようになります。
Fee Waker用撮影装置
照明にはAmazonで購入した5000ルーメンの超高輝度LEDライトを4灯使用しています。
撮影容器
撮影卵を入れる容器は、楽天で購入したグラスアートベベル直径38mm。厚いガラスなので被写体の下に影が出来ない利点があります。その上に水を張らないといけないので、まわりに百均で買ったプラスチックボトルから高さ2~3mmを切り出して貼り付けています。接着はガラスにもくっつくウルトラ多用途ボンドで乾くと透明になるタイプ。
撮影装置
撮影カメラとレンズが入るとこんな感じになります。4.5倍率撮影ともなるわずかの動きが影響するので、左右に手を固定する台も置いています。
Free Walkerレンズ
中一光学の4~4.5倍レンズFree Walkerは、先端が顕微鏡のようになっています。
olympus tg-5の顕微鏡モードで撮影する場合は、レンズから被写体までのワーキングスペースが数mmしかありませんので、さらにもうひと工夫必要です。
横のわずかの隙間からLEDライトで光を入れると同時に、背景を明るくするため下からも照明を入れる必要があります。
背景発光用撮影台
下に置く照明台は発泡塩ビ板を加工して作ってあり、中に光反射用のアルミ版を45℃の角度で固定しています。台の上は、透明のプラスチックシートに乳白色のビニールをかぶせたもので光が散乱します。
背景発光用撮影台
撮影台の横からライトをあてると、台の上が明るくなります。
撮影装置
カメラの隙間の横からライト2灯、下からライト1灯くらいでちょうどいい明暗差が生じ、透明の若齢ヤゴも背景からよく分離されます。
メガネサナエ5齢ヤゴ
上はこのシステムで顕微鏡モード3.0倍で撮影した、5齢になったメガネサナエヤゴ。