7月9日に10齢になり年内にも羽化か?と思われたメガネサナエヤゴですが、その後は季節性の調節が起こりました。7月26日に11齢になった後は全く脱皮しなくなり、9月22日になりようやく亜終齢になりました。このまま亜終齢で越冬して来年7月頃に羽化すると思われます。
ヤゴの中には泳ぎ続けるため撮影が難しい種があります。メガネサナエやナゴヤサナエなどのメガネサナエ属のヤゴは、撮影が難しいことにかけてはチャンピオンクラスです。
メガネサナエの疲れを知らないスイマーっぷりを動画にしてみました。
7月9日に10齢になり年内にも羽化か?と思われたメガネサナエヤゴですが、その後は季節性の調節が起こりました。7月26日に11齢になった後は全く脱皮しなくなり、9月22日になりようやく亜終齢になりました。このまま亜終齢で越冬して来年7月頃に羽化すると思われます。
ヤゴの中には泳ぎ続けるため撮影が難しい種があります。メガネサナエやナゴヤサナエなどのメガネサナエ属のヤゴは、撮影が難しいことにかけてはチャンピオンクラスです。
メガネサナエの疲れを知らないスイマーっぷりを動画にしてみました。
メガネサナエヤゴが10齢になりました。
普通終齢が近づいてくると、脱皮の間隔が長くなるのですが、9-10齢の間隔は10日間でかえって短くなりました。
翅芽の発達具合などをナゴヤサナエヤゴと比較すると、おそらくあと3回脱皮して終齢になると思われます。もしかしたら8-9月に羽化までいくかもしれません。
それにしてもメガネサナエのひょろ長さは、日本産ヤゴではNo1ですね。
下は「トンボ博物学」から引用した、サナエ科 Neurogomphus属 F-0齢の羽化殻の図です。世界にはもっと上手がいるもんですね~。
5月19日に孵化したヒメイトトンボヤゴが終齢になりました。
6回脱皮して終齢になったので7齢=終齢となり、トンボの中ではかなり早いペースです。
ちなみに、コフキヒメイトトンボとヒメイトトンボのヤゴは似ており、尾鰓の基部がヒメイトトンボの方が細い点が鑑別点とされています。図の下の方がコフキヒメイトトンボの尾鰓。
3齢で越冬体勢になったため、ほとんど死滅してしまったメガネサナエヤゴは残りわずか3頭です。
しかし、4月12日に4齢に脱皮した後は、2週間に1回程度のペースで順調に脱皮を繰り返しており、現在8齢になっています。翅芽もはっきりしてきて、体色もだいぶしっかりしてきました。このまま、無事終齢までいけるでしょうか?
沖縄で4月30日にヒメイトトンボとコフキヒメイトトンボの交尾・産卵は見られなかったのですが、持ち帰った♀が産卵してくれました。
普通イトトンボは、湿らしたキッチンペーパーを敷いた百均の小容器に入れておくだけで簡単に産卵してくれます。
しかし、モートンイトトンボや本種などの超小型種は失敗することが多く、擬似的な産卵環境を作りました。
玉ジャリと水を入れた小容器に、植物に見立てたキッチンペーパーの棒を立てています。芯には加工しやすいアルミ製の1mm程度の針金が入っています。
植物を植えてもいいのですが、卵を撮影するケースでは植物から卵の分離は至難の業なのです。
これをさらに百均の容器に格納して、内壁にも一部少し湿らせたキッチンペーパーをくっつけて出来上がり。約15分の作業行程です。
内壁と疑似植物キッチンペーパーの両者に産卵してくれました。
コフキヒメイトトンボの方が3-4日産卵後日がたっています。
ちなみに撮影セットは下のようになります。
照明にはAmazonで購入した5000ルーメンの超高輝度LEDライトを4灯使用しています。
撮影卵を入れる容器は、楽天で購入したグラスアートベベル直径38mm。厚いガラスなので被写体の下に影が出来ない利点があります。その上に水を張らないといけないので、まわりに百均で買ったプラスチックボトルから高さ2~3mmを切り出して貼り付けています。接着はガラスにもくっつくウルトラ多用途ボンドで乾くと透明になるタイプ。
撮影カメラとレンズが入るとこんな感じになります。4.5倍率撮影ともなるわずかの動きが影響するので、左右に手を固定する台も置いています。
中一光学の4~4.5倍レンズFree Walkerは、先端が顕微鏡のようになっています。
olympus tg-5の顕微鏡モードで撮影する場合は、レンズから被写体までのワーキングスペースが数mmしかありませんので、さらにもうひと工夫必要です。
横のわずかの隙間からLEDライトで光を入れると同時に、背景を明るくするため下からも照明を入れる必要があります。
下に置く照明台は発泡塩ビ板を加工して作ってあり、中に光反射用のアルミ版を45℃の角度で固定しています。台の上は、透明のプラスチックシートに乳白色のビニールをかぶせたもので光が散乱します。
撮影台の横からライトをあてると、台の上が明るくなります。
カメラの隙間の横からライト2灯、下からライト1灯くらいでちょうどいい明暗差が生じ、透明の若齢ヤゴも背景からよく分離されます。
上はこのシステムで顕微鏡モード3.0倍で撮影した、5齢になったメガネサナエヤゴ。
昨年11月18日に3齢まで育ったメガネサナエヤゴですが、その後は越冬態勢に入ってしまいました。
冬期が近づくとヤゴはほとんど摂食しなくなり、脱皮して齢期を進めることもなくなります。飼育ヤゴの経験では、九州北部だと11月になると越冬態勢に入ってしまうヤゴが多いようです。
ある程度齢期が進むと冬を生き残る可能性が高くなるのですが、若齢ヤゴは越冬能力が低く、はたして3齢メガネサナエヤゴは冬を乗り切れるのか?という状況でした。
予想はされましたが、100頭以上いた若齢ヤゴはほぼ死に絶えてしまいました。
しかし、数頭はなんとか生き残り一部4齢になりました。
さて、暖かくなっては来ましたが生き残ったわずかのヤゴは終齢まで育つでしょうか?
9月24日に採卵したメガネサナエが3齢になりました。
縦に細長くなってきて、少しひょろ長いメガネサナエヤゴっぽくなってきました。
YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑に、
アオサナエヤゴの動きを記録した動画を追加しました。
今年の秋は秋雨や台風の影響で3週連続週末が雨で活動停止していました。
11月3日の祝日は久々に晴れたので、2015年10月25日と同じ島に行ってきました。オナガアカネやタイリクアキアカネなどの飛来種が目的。
気持ちのいいフェリー旅で20分ほどで島に着きますが、少し時期的に遅いこともあり完全に空振りでした。
いたのはナツアカネが10頭程度。
他は、マユタテアカネ、タイリクアカネ、ノシメトンボ、カトリヤンマが少々。
何の収穫もないので、福岡市に戻ってから毎秋恒例の飛来種が来る池にも寄ってきました。今年はスナアカネが日本に数多く飛来しているみたいなので。
こちらも空振りでした。スナアカネは例年通り、数頭を見るのみでした。
トリミングして拡大したスナアカネ♂ですが、複眼下半分のライトブルーと胸部のワンポイントがなかなか綺麗です。
5月20日に採取したアオサナエヤゴが終齢になったので、セット内での撮影ですが生態動画を撮ってみました。
9月24日に採卵したメガネサナエは、2齢になりました。
1齢の時にあった背棘横に2列にならぶ突起は脱落しています。まだヤマサナエと同じような紡錘形の体型ですが、どの齢期から特徴的な細長い体型になるんでしょうか?
ちなみに同様の体型のナゴヤサナエヤゴは3齢から細長くなりました。
9月24日に採取したメガネサナエ卵が孵化しました。
産卵後18日で孵化です。
olympus tg-5で4倍深度合成撮影してみました。
終齢は極端に細長い紡錘形の体型を特徴とするヤゴですが、孵化直後はサナエ系の1齢にありがちなヤゴです。
背中に感覚器官と思われる、三角形状の背棘が並んでいます。
9月23日、24日の連休は琵琶湖に遠征していました。
一般の方には、「何でわざわざ遠方の琵琶湖まで!」でしょうが、トンボに詳しい方にとってはいわずもがな、「はは~ん、あれか」のメガネサナエ、オオサカサナエ狙いです。
そして勿論、採卵も目的。
さて、こんな場所です。
湖とはいっても、方向によっては対岸はろくに見えないし、波はうちつけるしで、海みたいなもんです。
メガネサナエは普通に湖岸沿いの砂浜にいっぱいいました。♂のバトルも頻繁にあります。
下はPanasonic GH5のプリ記録で撮影した、メガネサナエ♂の飛び立ち直後の飛翔写真。
♀の産卵も7-8回はありました。湖岸沿いに産卵可能な場所が多くあり、広範囲をウロウロとうろつきまわって探すことになるのですが、だんだん産卵♀探しのコツが見えてきました。
波が打ち付け湿った部分の湖岸に止まって、翅をブルブル動かしているのがいたら産卵♀といった感じです。一方、♂は湖岸から若干離れた白い砂の上に止まって縄張りを張っていることが多かったです。
目撃した産卵は全て、(1)波打ち際で翅をブルブルさせながら卵塊を形成、(2)50cm以内くらいのすぐ近くに1~2回打水産卵、(3)また波打ち際に戻って再び卵塊を形成、(4)これを数回繰り返す。下は4K動画から切り出した画像です。
波打ち際すぐそばに止まっているので、波に巻き込まれることも。
採卵も成功しました。
周囲に強力にくっつく粘着物を伴う卵でした。
オオサカサナエはメガネサナエと外見上なかなか見分けをつけづらいのですが、鑑別点としては、腹部の黄色の斑紋がオオサカサナエは環状、メガネサナエは上下に分かれる、腹部第7節の黄斑がオオサカサナエは伸びず、メガネサナエは後方に伸びる、などです。
怪しいのは3-4頭捕獲して確認しましたが、オオサカサナエはいませんでした。
この個体は主にうろついていた所からかなり離れた場所にぽつんといたトンボで、腹部第7節の黄斑の後方への伸びが目立たず、オオサカサナエかも?と一応捕獲して確認しました。しかし、尾端、副性器の形状ともメガネサナエでした。
こちらは通常のメガネサナエの腹部第7節。
慣れれば印象から見分けがつくかもしれませんが、1回行ったくらいでは難しく、今回はオオサカサナエといえる個体の記録は出来ませんでした。