YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑の、
エゾトンボ卵~3齢、オジロサナエ1~3齢、ギンヤンマ卵~1齢、サラサヤンマ卵~6齢を高倍率撮影画像で差し替えました。
変な黒条のタイリクアカネ
カトリヤンマの採卵
この時期は、やはり飛来種狙いということで2015年10月25日と同じ島に行ってきました。
島に渡る人は大部分が釣り客という島です。
5年前は、ノシメトンボ、ナツアカネ、マユタテアカネがたくさんいて、その中に1頭だけオナガアカネ♀を見つけましたが、今回アカネ類は激減していました。マユタテアカネ、リスアカネが数頭いて、他のアカネ類は1~2頭のみ。
今回、アカネ類は期待外れでしたが、カトリヤンマはそこそこ飛んでました。道路を縦断してたり、湿地を飛んでたり、林縁で♂が♀を探索していたりとパターンは色々。
その中で道路を低速で縦断している♀がいたので捕獲しました。
もちろん、採卵も。
ところで、7月6日に沖縄で採卵したリュウキュウカトリヤンマですが、孵化後順調に脱皮を繰り返し、約2ヶ月後の9月5日には最初の個体が終齢になりました。
リュウキュウカトリヤンマは絶対的な年1化(1回/年のサイクルで羽化)種のようで、終齢になりしばらくすると採餌しなくなり、翅芽が膨らむなどの羽化に向けての変化が見られなくなりました。結局、半数程度の卵は終齢になった時点で羽化に向けた変化がストップし、残りの半数程度は終齢より2-3齢前で脱皮がストップしてしまいました。
カトリヤンマも年1化種ですが、こちらの方は卵で越冬します。
正真正銘タイリクアキアカネ♀
昨日に引き続き対馬でタイリクアキアカネ探しです。
まず行ったのは昨日と違うこういう場所。この奥の方に小さな水場があります
このフィールドで見つけた♀の個体。
顔面の黒い斑紋の凹凸、翅胸第1側縫線に沿う黒条が小さいのは2つともクリア。羽も橙味が目立ちます。
尾端腹面の形態もクリアです。ちなみに2枚目はアキアカネ♀の尾端。
この♀をタイリクアキアカネとして認定しました。腹端をカップの水につけて採卵も成功。
普通だったらこれでトンボの採卵ミッションクリアなのですが、そうはいかないのがタイリクアキアカネの難しいところ。
昨日のように父親の♂がアキアカネかもしれません。こういう文献もあります。
タイリクアキアカネの採卵・飼育記録 二橋亮他,Aeschna,(38),24-26,2001(二橋氏からこの文献をいただきました)。
文献の内容としては、国内でタイリクアキアカネ♀から採卵された場合、アキアカネとの雑種傾向がある個体が羽化することが多いが、石川県および富山県で得られた卵から純粋なタイリクアキアカネが羽化した、というもの。
今日の採卵も、来年になって羽化させないと純粋なタイリクアキアカネかどうか判明しないのがなかなかつらいところです。
ならば、タイリクアキアカネ♂♀の連結ペアから採卵すればOKでしょうということで、さらに昨日の場所へ。
着いてすぐに下のペアが産卵を始めました。大きさも小さめですし、ここではマユタテアカネの産卵も多いので、きっとそうだろうと思いのんびりと写真撮影から開始。
マユタテアカネではありませんでした。♂の顔面の黒条と羽の雰囲気から、これこそ狙いのタイリクアキアカネペアの産卵だったかもしれません。しかし、そう気づいた時には手遅れで、産卵は終わりいなくなってしまいました。
その後は7ペアを捕獲して調べましたが、全てアキアカネ。さっきの失敗からマユタテアカネ2ペアも誤爆して捕獲してしまいました。
結果は出ず、産卵もまだ続いてましたが帰りのフェリーの時間があるため本日はギブアップ。しかし、晴天の対馬をバイクで縦断出来たのはとっても快適でした。
タイリクアキアカネ
最近遠征がちですが、今日は対馬に来ています。天候はこれ以上ないほどの上天気。
場所は2018年11月3日と同じ湿地で、狙いはタイリクアキアカネで飛来種なのですが、対馬には定着している可能性があります。
アキアカネがこの湿地に産卵にくるので、産卵ペアをつかまえてその中からタイリクアキアカネを見つけられればミッション成功です。
フィールドガイド「日本のトンボ」から引用した図ですが、下記が両者の鑑別点になります。タイリクアキアカネの方が、(1)顔面の黒い斑文の凹凸が目立つ、(2)翅胸第1側縫線に沿う黒条が小さい、(3)腹面腹端の形態の違い。
11:30頃からアキアカネの産卵が始まり、12:30まで続きました。計7ペアを調べ、最初はずっとアキアカネでしたが、最後の7ペア目になり明らかに違和感がある♀が網に入りました。
顔面の黒い斑文の凹凸は微妙でアキアカネ様。
翅胸第1側縫線に沿う黒条が小さいのは、完全にタイリクアキアカネ。
腹面腹端の形態は卵が尾端にたまっていてはっきりしませんがタイリクアキアカネ?
リリースした後もしばらく近くにいて、その際に撮ったやらせショット。
つかまえた瞬間に明らかな違和感を感じたのは、小さめだった事に加えて、翅脈の橙色味が強かった点です。これも鑑別ポイントのようです。
この♀はタイリクアキアカネでいいのではと思います。
残念ながらこの♀に連結していた♂は、翅胸第1側縫線に沿う黒条は小さめなものの、アキアカネと思われました。羽も透明でした。
とりあえず採卵は行い、来年孵化したヤゴを育てて羽化後にどんなトンボが現れるか確かめようと思います。
何事についても同じですが、タイリクアキアカネも資料からのイメージは出来ていましたが、実物(・・・なのか?)を見ることでぐっと鑑別スキルが上がります。羽の橙色味が強いのはフィールドでタイリクアキアカネ探す際に重要なポイントになりそうです。
その鑑別点を頭に入れながらフィールドを探してみたのですが、この個体はタイリクアキアカネ♂でいいのでは?。翅胸第1側縫線に沿う黒条はこの写真では分かりにくいですがかなり小さいです。羽は橙色味が目立ちます。
ウミアカトンボ
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ウミアカトンボを追加しました。
トンボの同定ミスがあったので訂正します。
10月15日のリュウキュウギンヤンマはギンヤンマの誤りでした。沖縄で撮ったトンボ写真をチェックしていてこのペアはギンヤンマであるのに気づきました。
そもそも、リュウキュウギンヤンマの連結産卵の観察例はないそうなので、この情報がインプットされていれば初めから違うと判断出来て、本物が来るのを待ったのですが。この池に来るのはリュウキュウギンヤンマという先入観があって、早とちりしてしまいました。
さて、下はウミアカトンボヤゴです。ぱっと見た感じでは、腹部が楕円形状で側棘が目立たず、ショウジョウトンボヤゴに似てる印象をうけました。2枚目がショウジョウトンボヤゴです。
こうやって写真にして並べると、あまり似てないですね。実物を見ると似てる感じをうけるのですが・・・。
ヒメイトトンボの産卵
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ヒメイトトンボの産卵動画を追加しました。
沖縄最終日です。飛行機出発までの時間を使って、ヒメイトトンボの産卵動画を撮ってきました。ダムの放流口ほぼ直下でこういう場所です。
草地の部分は以前訪問した時は水に浸っていて、ヒメイトトンボ、コフキヒメイトトンボが多数いましたが、今日は大部分干上がっていて両種とも少ししかいませんでした。
丹念に探すとヒメイトトンボが少しと、コフキヒメイトトンボはそれより少し多く10頭程度いました。ヒメイトトンボの産卵があったので動画にしました。後半部は体半分だけ潜水産卵しています。
昨日のコフキヒメイトトンボとそっくりですが、コフキヒメイトトンボの方は前胸部に突起があり、そこで鑑別します。ただ、小さすぎるトンボたちなので、いい角度で拡大写真が撮れないとなかなか難しいです。
草の茎の同じ場所でアオモンイトトンボも産卵していたので大きさ比較ショットを撮ってみました。アオモンイトトンボが巨大に見えます。
他にも少しですが、アカナガイトトンボ、ムスジイトトンボ、リュウキュウベニイトトンボもいて、沖縄本島のイトトンボ科はほぼ一式そろっていました。
産卵動画デー
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コフキヒメイトトンボ、タイワンウチワヤンマ、ハネビロトンボ、ヒメトンボの産卵動画を追加しました。
YAGOPEDIAホームページのヤゴ図鑑に、
コフキヒメイトトンボの♂が腹面の白色部を♀に誇示して求愛している様子を納めた動画を掲載しました。
沖縄4日目です。今日は産卵動画デーでした。
1時頃までは10月14日と同じコースでダムから流れる川とダムの人工池を探索。
午前中は天気が悪く一時雨が降る曇りでしたが、川岸沿いの少しだけ草が生えてる所でコフキヒメイトトンボがひっそりと活動していました。小さな小さなこのトンボではありがちですが、存在自体には気づいてましたがよくよく見ると結構いました。♂は20頭以上はいるようです。
その中で腹面の白色部を♀に見せて盛んにアピールしている♂がいるのに気づきました。手元にある参考文献にはこの行動は言及されていませんが、他のトンボの行動と照らし合わせると求愛行動と考えていいでしょう。動画にしてみました。
時々♀につかみかかっていますが残念ながら完全拒否されていました。「日本のトンボ」によると朝夕に交尾することが多いようで、10時頃の撮影なので時間的な要因で拒否されているのかもしれません。
なお、背後で流れているカンカンという音(編集増音してあります)は沖縄に住んでいるセミの鳴き声です。最初聞いた時は鳥の鳴き声かと思っていましたが、いたる所でこの音が聞こえてくるので、なるほどセミの声かと気づきました。
産卵もしていたので、まず本日の産卵動画1番目。
さらにダムの人工池に移動。こういう池です。
相変わらず天気が悪くて、その中でも活動が活発なベニトンボ以外はなりを潜めていましたが、12時くらいになり強烈な日差しが届いてきてトンボたちの様子も一変しました。急に活動が活発化し、産卵行動もこの時間帯に集中しました。撮影する方としては、とってもラッキーな展開です。
産卵動画2番目はハネビロトンボで♀の単独産卵です。♂が♀をキャッチ&リリースするスローモーション動画はホームページに掲載済みでしたが、産卵全体の動画はなかったのでホームページにも追加しました。
3番目はヒメトンボの産卵。このトンボも極小なので、産卵を見落としがちです。動画でも、最初は警護飛翔の♂ばかりが目立ち♀がどこで産卵しているか分からないかもしれないです。
4番目はタイワンウチワヤンマの産卵。これは想定外で急に乱入登場してきました。飛び回るのでなかなか動画にしにくいのですが、幸い池が小さいので何とかビデオに納めることが出来ました。
同属のウチワヤンマは、枯れ枝などの基質上でホバリングして卵を粘着性のあるクモの糸のような物質といっしょにからめますが、タイワンウチワヤンマはこれと異なり水面上に直接産卵することが多いです。また、移動しながら打水産卵することもあります。8月26日に福岡で撮れなかった動画でしたが予期せず沖縄で撮れました。
なお池の中はこんな感じで魚が多く、成長し生き延びるヤゴがいったいどれだけいるのか疑問ですが、他に適当な水域もないせいかここはトンボたちに大人気の産卵スポットになっています。
リュウキュウギンヤンマまで現れ背後に見える枯れ葉に産卵しようしましたが、結局産卵せずに行ってしまいました。
ひとしきり産卵が落ち着いた後は強烈な日差しの下で、飛翔ショットがクリアに撮影出来ました。ギンヤンマとベニトンボの交尾態。
その後は、この勢いのままトビイロヤンマの産卵動画をと、10月14日と同じ場所にも行きましたがこちらは不発。トビイロヤンマ♀が計4回現れましたが、湿地上の着地地点が完全に特定できず、そっと近づくのですが見つける前に逃げられてしまいました。写真すら撮れず完敗でした。
リュウキュウギンヤンマの産卵
沖縄3日目です。
7月に沖縄に来た時はスケジュールに無理がありリュウキュウギンヤンマの採卵が出来なかったので、今日はリュウキュウギンヤンマの場所へ。こういう池です。
9:30頃に着き最初はいませんでしたが、そのうち♂のパトロールが始まり10:00頃になり連結態も現れ産卵が始まりました。
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2020年10月20日追記
上記産卵動画のトンボは、ギンヤンマの間違いでした。
下の卵もギンヤンマ卵の誤りでした。
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産卵植物を採取して無事採卵も成功。
途中でタイワンウチワヤンマ♀が現れこちら産卵もしてましたが、飛び回りながらなので動画にするのは難しく、出来ませんでした。福岡ではタイワンウチワヤンマは、ほぼ終わりですが沖縄ではまだまだ元気です。
次は7月7日、2カ所目と同じ池。7月に全盛期だったベッコウチョウトンボやアオビタイトンボは大部減っていました。オオキイロトンボはわずかに1頭のみ。逆にタイリクショウジョウトンボは少し増えていました。
本土のショウジョウトンボと見た目はほとんど同じですが、腹部の背面に黒いスジがあるのが違いです。
頻回にホバリングするヒメハネビロトンボ♂がいて、飛翔ショットが楽に撮れました。
飛ぶスピード自体は遅いのですがクイックイッと飛翔方向を変えるので、意外に難しいベッコウチョウトンボの飛翔ショット。”焦点距離固定+ファインダーも覗かず適当にカメラで連射”法で撮れたベッコウチョウトンボ♀です。
トビイロヤンマの産卵(未遂)など
沖縄2日目です。
7月に沖縄に来た時に採卵は大体終わってしまったので、今回は前回撮れなかったトンボショットを色々と撮ってます。
まず、7月6日1カ所目の川に。相変わらずベニトンボがうじゃうじゃいます。
♀の産卵中に、♀を他の♂に盗られてたまるかと警護する♂。
その川上流部のダムの人工池。ヒメハネビロトンボ(コモンヒメハネビロトンボ)の産卵がうまく撮れました。♂は♀を一瞬放して♀は下降し単独で打水、すぐに♀は上昇し、さらに♂は♀を一瞬の早業で再キャッチします。
ヒメトンボも同じ人工池にいて普通は近づくと逃げるのですが、簡単に近づける♂がいたのでolympus TG-5で顕微鏡モード撮影。
ヒメトンボの産卵も1回あったのですが、うじゃうじゃいるベニトンボがちゃっかいを出しまくりですぐに消えてしまって撮影は出来ませんでした。
2カ所目は滝の下流にある川で初めてくる所です。
前回撮れなかった、リュウキュウハグロトンボの交尾。
ヤゴも探してみましたが、アマミサナエのヤゴがかなりいました。
最後は、トビイロヤンマのいる7月8日と同じ湿地帯。最低2頭の♀がいたのですが、近くまできて撮れたのはこのショット1枚のみでした。産卵体勢に入ったのですが、産卵基質が気にくわなかったみたいで産卵せずにすぐに離れて行ってしまい、産卵未遂ショットになってしまいました。